会社人とフリーランス

チョッとためになるかもしれないお話し。
会社人の方のなかにはフリーランスの人に対して
「フリーランスは自由でいいよね」
「フリーランス好きなことができていいね」
「会社に属したらやりたい仕事なんてやれないことが多いよ」
「社員になると嫌な仕事もやらなきゃならない時もある」
などといった思いがあるようですが、フリーランスはCG以外の雑用が多いため、傍で見ているよりもお気楽ではないのが現状です。
まず、フリーランスはクライアントとの様々な折衝もしなくてはならないし、そのための雑用も多くある。
※実は、これが意外と精神的にこたえる。。。
当然クライアントとの折衝の中には依頼に対し断りを入れなければならないケースも多々あり、そんな時は「断ったら、次は無くなるかもしれない」とか、「断るのは、相手に対して失礼だ(知人、もしくは大手クライアント)」などの精神的に厳しい葛藤もあり、返答をする時も、した後もハラハラもので心臓に悪い。
他にも、PCのトラブル等が作業中に発生し納期が遅れた場合もかなりキツイ。
私が会社に属していた頃はハードのトラブルによる工数増大があってもペナルティーは無かったが、それがフリーランスの立場となると状況は一変する。
クライアントからの信頼を失う場合もあるし、最悪契約によっては納期を守れなかったことによるペナルティーを負う場合もあるのだ。
フリーランスは基本 ” 守られていない ”
他にも雑用は意外とある、
・請求書の発行、領収書の管理、会計処理、確定申告
・シビアなスケジューリング、自己管理
・PCの導入、管理、メンテナンス、修理(私は自作PCが多いので、自分で症状を特定し修理する)。
 ※修理はプロに頼んでいたのでは時間がかかるし、お金もかかる。
・アプリの管理(新規導入、バージョンアップ、保守等)
・Etc…
もちろんフリーランスにも良いところはある。
時間配分が自由なので、私のように気管支が弱く、慢性鼻炎の人間には助かる。
咳き込んだ場合は呼吸困難になり、通常で1時間弱、最悪半日前後苦しむこともあるからだ。
※大抵の場合はステロイド系の薬を早めに吸引すれば収まる。
また、好きな時に外出が可能なので買い物や通院も楽々だし、休みを仕事の状態により自由に設定可能等の利点もある。
ただし、クライアントからの依頼の中には作業期間が短かったり、「連休明けに納品して」など土日休みや祝日を最初から作業工数に入れなければならないケースもざらにある(私は多かった…)。
私は個人的に会社人とフリーランスを状況によって心機一転スイッチするのが良いのではないかと考える(ただし日本では頻繁に転職を繰り返すことを良しとしないので ” ここ一発 ” って感じの時だけにしないと駄目だと思う)
何故かというと、会社にいると当然仕事がその会社の仕事で作成する作品に偏ってしまう。そんな時に新たな何かにトライしてみたくなった場合はフリーランスとなり多様な仕事をしてみるのはとても勉強になるからだ。
私がカプコンを辞めた時も次世代機(PS3、Xbox360)の流れの中でPS2新鬼武者以降、PS2仕様グラフィックであるMHFのモデル制作が続くことに少々魔が差して退職。すぐに再就職も考えたが、「今のスキルではまたPS2関係のモデル制作に回されるだけだ」っとの考えからしばらくフリーで様々なハイエンド系CG制作をおこなうことで修業を積むことにした。
実際にカプコンに在籍中には絶対できない他社タイトルのハブ用画像モデル制作とレンダリング、コンポジットをおこなうことができたし、他にも映画関連のモデル制作にも多少参加することができフリーランスとなったことでとても良い経験ができたものと思う。
また、自由な時間にはMayaと3ds Maxの学習や、ZBrushによるスカルプトの習得ができたのも自身にとってはここ数年の成果としてとても大きい。
ただし、昨年あまりにもスキルアップのための自主制作をし過ぎてしまっため、今年は年始からしばらく仕事が切れてしまった状態になってしまった・・・
フリーランスは難しい。
そろそろCG以外は楽になりたいな。。。