Photoshopを使用した
法線マップによる軽量モデル
pic_08.jpg ロングショット用の軽量モデル用としてノーマルマップを制作する。ZBrushからもノーマルマップ の出力は可能だが、XSIとの愛称が悪いのでNVIDIAのフリープラグインを使用しPhotoshopで生成して書き出すことにする。勿論生成に使用す るマップはZBrushで生成したディスプレイスメントマップを使う。
ZBrush で書き出したディスプレイスメントマップ画像を使用し、Normal Map Filterでノーマルマップを生成する


pic_09.jpg
モ デルにタンジェントを設定し、マテリアルにはXSINormalMapのノードを使用しBumpとして接続する


RENDER_3.jpg
ノーマルマップのみの結果をレンダリング。法線マップ単体での処理のため 形状はそのままだが、ロングショットでの使用であれば十分使用に耐える
RENDER_4.jpg
ノーマルマップセッティングの完成画像。非常にレンダリング処理が軽いの で、アップ意外ではこのモデルを使いレンダリングをおこなう



ZBrushからのインポート
インポートマテリアル設 定
pic_07.jpg XSIのObjインポータはZBrush等に対応したディスプレイスメントオプションがあり、様々な 設定をおこなうことができる。また、ファイルの読み込み後には自動的にマテリアルが作成されるので、オペレーターはパラメータの微調整をおこなうだけで セッティングはほぼ完了する。
Obj のインポータを使用してモデルを読み込む。この際にディスプレイスメントオプションのタブで画像と各種設定をおこなう

pic_07-A.jpg
イ ンポート後には自動的にマテリアルが作成され、ディスプレイスメントの関連パラメータも同時にセッ トアップされる

RENDER_1.jpgパラメータを調整し結果をレ ンダリング。サブディビジョンレベル1で、Geometry Approximationとマテリアルのsib_interp_linear(Change_range)で繰り返し調整し仕上げた
RENDER_2.jpg
ディ スプレイスメントマッ プセッティングの完成画像。レンダリング処理に時間が掛かるので、アップ時のみこのモデルを使いレンダリングをおこなうことにする

ZBrush以外のモデリングツール
期待のニューカマー「Mudbox 1.0」
ZBrushの独壇場だった市場に新たな製品が登場した。 このMudbox最大の特徴は高速さと、3Dツールに酷似したユーザーインターフェースを搭載していることだ。今まではZBrushを他にチョイスが無い ことから、使い辛さに困惑しながら使用していた人も多かったと思う。これからは自分に合ったツ−ルを、2択からではあるが選択できるようになりそうだ。
価格設 定はZBrushと同一の価格帯で、ZBrushとの違いは廉価版が存在する点だ。
pic_10.jpg高解像度の状況 下でも非常に高速なブラシストロークを実現している。ツールも一通り装備されているので、導入直後から制作に投入可能だ。しかしまだ若干不安定な部分もあ るので、今後の改善、改良を待たなければならない



今回はALL in XSIといいながら、ZBrushとの連携をおこなってきた。しかしこれは昨今の制作環境において、他のソフトとの連携が不可欠となっているからだ。結果 から云うと"ALL in One"に求められるものは、内部だけに固執しない、連携も含めた柔軟さなのだ。

pic_11.jpg
完成したモデルにボーンを設定、レンダリング用にポーズをつけ、ポイントライトとHDR によるライ ティングを施した



 処理の軽減と質の両立を考慮
 背景モデリング


XSIからZBrushへ
ZBrushに よる異次元モデリング
pic_01.jpg まずはXSI上でローポリのモデルを制作する。モデルにはテクスチャをUV設定まで処理し、モデ ルが完成したらObjフォーマットで書き出す。
今 回のモデルはZBrushで作業するため体は全て一体成形で制作している。テクスチャやUVも同様で一つに収めている

pic_02.jpg
[書き出し]からObjとしてモデルを書き出す。通常は別段オプション も設定する必要はない

ZBrushにモデルをインポート。サブディバイドを5段階程に設定し、ブラシによる整形をおこなっ ていく。ディテールを書き 込んでいく際は、テクスチャをON/OFFしながら書き込んでいくとよい。なぜならテクスチャを設定した状態だと凹凸が見辛く、設定していない状態では実 際 のテクスチャによるディーテルが分からないからだ。
完成したら拡張プラグインのDisplacement Exporterを使用し、8bitでディスプレイスメントマップを書き出す。モデルも加筆によって若干違ったものとなっているのでローポリ状態でObj エクスポートしておく。

pic_03.jpg
イ ンポートしたモデルをレイアウトした状態。ZBrushではモデルをカスタムブラシの一つとして扱う。ZBrush でのモデリングとは、ブラシのエディット作業なのだ

pic_04.jpg
テ クスチャを設定した状態で薄く大まかにディテールを書き込み、非表示状態で本格的に書き込んでいく

pic_05.jpg
最 終的にはこのようになった、この程度の書き込みであれば、45分程度で処理できる。ただしインターフェースが独特であるため、時間が掛かる人は著しく掛か る場合が あ

pic_06.jpg
拡 張プラグインのDisplacement Exporterを使用し、パラメータを設定後、8bitのディスプレイスメントマップとして書き出す。











 
第二回
作例/文 柳島 HiD



 
        XSI流ZBrush連携術
 
 
 全てを委ねるのではなく、長所短所を見
 極め、それぞれで得意分野を処理す る。

本連載ではオールインワン3Dアプリケー ションである Softimage|XSI を使用し、工程別に6回に分け、モデリングからコンポジットまでを総合的におこなっていく。第二回である今回は連携をテーマに、クリーチャーのモデリング をXSIと ZBrushとの連携によって作成していく。
モデリングとはいっても今回はXSIで作成したモデルをZBrushでハイディテール化はおこなうものの、そのハイディテールモデルは使用しない。
ローポリモデルをベースとしたディスプレイスメントマップ を書き出し、XSI上でマップ データとして扱うという形態をとるのだ。

ZBrush とは?
独特なインターフェースで有機的なモデリングを可能にした、独創的アプリケーション。クリーチャー等の作成にはもってこいのツールだが、ユーザーインター フェースが独特なため、オペレートにはストレスを感じる人も多く、バージョンアップも非常に遅い。



■筆者 柳島HiD(やなぎしま ヒッド)
■プロフィール 
もともとは企画からゲームデザインまでこなすゲーム畑の人間だったが、最近はCGデザイナのみに専念している。
■ホームページ
http://www2.ocn.ne.jp/~hidyboy/
■制作環境
使用ハードウェア   AMD Opteron275(DUAL CORE) DUAL
使用ソフトウェアOS  WindowsXP 64bit Edition)
使用ソフトウェア   Softimage|XSI V5.1.1(64bit版)


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