3DCG回顧録 ~アスキーアートやドット絵からAIまで~

「変化した制作環境」

最近のCG事情はプリレンダーに加えリアルタイムCGや生成AIの台頭も相まって激変をしている。

情勢変化の速い時代に生まれた現代の若者からすると「普通じゃネ?」っといた感じなのかもしれないが、コンピュータが ” マイコン ” と言われていたPC創世記 “テキストのみでドット絵すら存在しなかった” 世代の人間からすると、数日前に最新テクノロジーだったものが新たなものに置き換わっていく様は、激しすぎて時に恐ろしくなる。

などといいつつも、この業界で長く続けているのだからかテクノロジーや面白ジェット系は大好物。
私には面白過ぎて目移りする日々が続いているのも事実。

今は Unreal Engine 5 をメインツールとして、ZBrushやMayaといったDCCツールで制作をしている。

「私は時代が変わっても大丈夫、余裕で適応できる」

ところが、ふと「ほぼ完成系の画質で作れるのって “凄くネ?”」と思わされ、ゾッとする、・・・過去の耐え難い、重く、何かしようとすると待たされ、そして落ちる、、、これまでの無常で気の遠くなる程に長かった忍耐の歳月が思い出される。

「コンピュータと出会った小学生時代からの苦節XX年・・・」

クソッ! なんか猛烈に悔しい、もっと遅く生まれていれば…。
これまでのPCとCG界の変遷を知っているだけに悩ましい!!

まあ、そんなことを情緒不安定になりつつも時折考え、日々最新の制作環境で模索し続けている。

※下のXではデジタルヒューマン株式会社でリアルタイムCGと3Dモデル生成AIの実用性の検証をおこなった時のもの。


「AIは敵か味方か」

AIが同乗した際は「仕事が奪われる」とか「デザイナー不要」等といわれたり、デザイナー達からは「結果的に使えるの」とか「指定通りの思ったものが作れない」等いろいろあった。。。

私は2018年頃から Deep Fake など AI 系の CG を使用してきているので、既に2022年頃に答えを出し「メインはリアルタイム系CG。AIはアシストツールとして使う」と決めている。

私の制作主軸であるキャラクター系CGに関し、今後のAIとGPU進化を踏まえた時、進化の度合いはしばらく停滞する。なぜなら、当分の間は4K解像度の1フレーム ( 一部書き換えではなくフルフレーム生成 ) 当たりの画像生成が1/60秒以内に収まることはまずありえない。だが、UE5等に代表されるリアルタイムCGの成長はなだらかに段階的とはいえ確実に成長している。そしてAIも見てきたからこそ、この先にリアルタイムCGの進化に加えAIによるディテール強化等の要素が加われば、リアルタイムCGはライブアクションでもフレーム書き出しによる動画作成でも「破綻のない、思い通りの」作品作りのできる制作環境なっていく。

「と、妄想したから」

とはいえ、今を踏まえ現実的なことをいうと「活用できれば ” できた相棒 ” になり、活用できなければ ” 仕事の幅が狭くて作業の遅い人 “になってしまう 」ということ。・・・かな。

※下のXではデジタルヒューマン株式会社でリアルタイムCGと3Dモデル生成AIの実用性の検証をおこなった時のもの。